THAT’S MY STYLE Vol.02:遠山涼子

 Shinzoneスタッフのオシャレ遍歴を辿る本連載。ファッションへの愛と矜持を持って、お客様そして洋服と日々向き合う私たちのこだわりを公開します! 今回は、今年勤続17年目を迎える表参道本店セールススタッフ遠山涼子をフィーチャーします。

 

ファッションの奥深さと楽しさを、古着が教えてくれた

ファッションへの目覚めは小学校高学年の時に買ってもらったデニムのオーバーオール。地元のショッピングセンターで見つけて買ってもらったそれに、どんなヘアスタイルを合わせようか。どんなトップスを合わせようかとワクワクしたことを覚えています。アメカジ全盛期だったことに加えて、当時大ヒットしていた映画『マイガール』の主人公のスタイルがとにかく可愛くて。そんなスタイルに影響されて、デニムやTシャツといったカジュアルなアイテムに夢中になりました。

ファッションに興味を持つきっかけとなり、いまだに好きなアイテムの一つであるオーバーオールはヴィンテージ。takes.のTシャツと同じくヴィンテージのニットをレイヤード。トップスをコンパクトなシルエットにまとめ、Shinzone別注で展開していた「HERNAN HERDEZ」のネックレスなどアクセサリーをプラスして、大人っぽく。時計は、同様に以前に展開していた「SEIKO Shinzone COLLABORATION WATCH EDITION3 」。

 

高校生になると、さらにファッションに夢中に。当時は「NIKE」のエアマックス全盛期! 仲の良い友人からたま〜に貸してもらったそれを足元に、一緒に原宿に通っていました。アメカジや古着が好きな一方で、ギャルっぽいもの、さらに当時人気だった雑誌『FRUiTS』みたいな個性的なアイテムも取り入れていましたね。とにかくいろんなものが着たかったし、スタイリングを考えることが楽しかった。 

ヴィンテージのオールインワンに合わせたのは、マコーレー・カルキンが主張する同じくヴィンテージのTシャツ。数年前に展開していたShinzoneオリジナルのパンプスと「CADEAUX」のパールネックレスほか、アクセサリーでセンシュアルなタッチをプラス。

 

短大在学中に、原宿の古着屋さんでアルバイトすることになり、そこから、古着の楽しさに開眼。後にセレクトショップでアルバイトをした際には、インポートブランドの魅力を知ることになるのですが、それでもやっぱり自分は古着が好きだなあと。その後、当時自分が憧れていた古着屋で働くこととなりました。

 そこでは販売と海外の仕入れにも携わることになりました。古着の世界を勉強することでファッションの奥深さを知ると同時に、目が肥えたと思います。あと古着って、レディースとかメンズの概念があまりないので、自分がデザインとして好きだなと思うものがあれば、それをどう自分らしく着こなすかを考えることも楽しかった。そんな経験から最新のアイテムに古着を組み合わせる、とかフェミニンなワンピースに「ナイキ」のエアジョーダンを合わせる、みたいな自分らしいMIXスタイルみたいなものが出来上がっていったと思います。

トップスとベルトはヴィンテージ。デニムは、目下お気に入りのTHE SHINZONEの「TOOL DENIM PANTS」。

 

“盛る”スタイリングからシンプルなスタイリングへ

 そんなファッション遍歴を経て、Shinzoneと出会いました。オリジナルアイテムを見て驚いたのはパッと見がすごくシンプルなのに、ミリタリーや古着の要素など、うまく取り入れているなということ。それをきっかけに2007年に入社しました。スタッフみんなのデニムにスウェット、そこにパンプスを合わせる……みたいな品の良いシンプルなコーディネートが新鮮で、いい刺激になりました。それまで私は古着をレイヤードする、いわゆる盛るスタイリングが多かったのですが、シンプルな着こなしの魅力を知りました。

 毎日のスタイリングですが、以前は鏡の前でああでもない、こうでもないとコーディネートをしていました。今は3人の子育てをしていることもあり、なかなか時間に余裕がないので、その日の気分でその日に着たいものを着ています。「今日は疲れているから、元気の出る赤を着よう!」みたいな感じで、色から決めることも多いです。

以前は雑誌で好きな着こなしを大量にスクラップしていたのですが、それがいまだに頭に入っていて。それをベースにお気に入りの古着などを脳内コーディネートしたりしています(笑)。今気になっているのは、かつてのShinzoneのコーディネート! 創業した当時くらいのスタイリングやVMDを今見るとまた新鮮で、スタイリングのインスピレーションになっています。

THE SHINZONEの「CIRCULAR RIB SLEEVELESS」と「WASHED BAKER SKIRT」に、ヴィヴィッドなヴィンテージのベストをプラスして、アクセントに。ボーイスカウトで使われていたベストらしく、あちこちにユニークなワッペンやネームタグが。

 

 以前5年ほどバイヤーを担当していましたが、そのときに強烈に印象に残っているのが、いまだにお取り扱いさせていただいている「ebagos」さんとの出会いです。ブランドの皆さんのものづくりへの真摯な姿勢やこだわり、そして真面目で優しい人柄が素晴らしく、バッグはもちろん、そんなブランドのバックグラウンドも含めてファンになってしまいました。初めてお取引させていただいた際に一目惚れしたハンドバッグは、今でもいちばんのお気に入りです。バイヤーという仕事を通じて自社の外の世界やファッションを知ることができたことで、また自分のスタイルが広がったように思います。

 

 

愛用している「ebagos」のバッグコレクション。どれも手入れをしながら長年愛用している。アクセサリーやジュエリーは、様々なブランドをミックスするのが遠山の流儀。シューズは「洋服がインパクトが強いアイテムが多い分、シンプルかつ素材が上質なものを選ぶようにしています」。

 

またShinzoneで取り扱う古着の買い付けをずっと担当していた流れで「Preloved」の立ち上げにも携わりました。「いつか古着屋をやりたいと思っていた自分の夢が叶った!」と、とても嬉しかったですね。今は表参道店のセールスを担当していますが、洋服が好き、Shinzoneが好きという気持ちはずっと変わっていません。Instagramで私が組んだコーディネートを見て、お客様がお店にいらしてくださったり、同じく私の私物に興味を持ったと話しかけてくださったり......毎日楽しいし、やりがいがあります。

 

イエローが目をひくドレスは、15年ほど前にShinzoneで取り扱っていたNYブランドの「Sari Gueron」。ヴィンテージのコーチジャケットに「NIKE」のエアジョーダンを合わせて。「当時思い切って購入した思い入れのあるドレスです。このドレスだけに限らず、購入したアイテムはメンテナンスをしながら、どれも大切に着用しています」。これぞ遠山的SDGs。

 

 接客する上で、私が大切にしていることは、“品を持ったおもてなし”と、“本当に似合うものをオススメする”ことです。大切な時間を割いてご来店くださるお客様だからこそ「なんとなくこれかな……」みたいな妥協したご提案をしたくない。ですので「このお客様なら、これが絶対に似合う」。「こちらのお客様の体型なら、このアイテムが一番綺麗に見える」と私が確信したものだけをご提案しています。結果、皆さん笑顔で帰ってくださるので私自身もとても幸せな気持ちにしていただいています。

 トップスは「SEA NEWYORK」。ヴィンテージのパッチワークデニムを合わせ、シンプルながらもフォーキーなムードが漂うスタイリング。シューズは「Maison Margiela」。

 今年で入社して17年目となりますが、“その年月があったからこそできる”接客があるなと今思っています。自分と同じ40代、そして50代のお客様ともっとお話ししたいですし、同世代だからこそできるいろんな着こなしの提案やおもてなしができれば嬉しいです。きっとお客様の新しい一面や着こなしを見つけていただけるお手伝いができると思いますので、本店にいらした際には、ぜひ、お声がけください。

※こちらのページでご紹介している私物とヴィンテージについては、ショップやブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。

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  PHOTO: nam.grafik

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