Shinzoneスタッフのオシャレ遍歴を辿る本連載。ファッションへの愛と矜持を持って、お客様そして洋服と日々向き合う私たちのこだわりを公開します! ヴィンテージと古着、ぬいぐるみにコスメ、そして刺しゅう……幅広い趣味に愛を注ぐ、営業担当の大高歩が登場。
洋服は気分を左右するものだから「これが最高!」というものだけ着ていたい
元々、家族が洋服好きだったんです。母親が洋服の製作関係の仕事をしていたこと。また7歳上の姉もおしゃれが好きで、洋服の貸し借りをしたり、お下がりをもらったりしていました。そんな環境にいたこともあり、自然とファッションに興味を持ち、洋服が好きになりました。
高校生になると、地元、高円寺の古着屋に足繁く通うように。今思えば、自分の生活圏内にスーパーやコンビニのように古着屋やヴィンテージショップの店舗がそこかしこにあった、ということが大きいかもしれないですね。インパクトのある色やデザインの洋服が好きだったこともあって、すぐにその世界に夢中になりました。初めて買った古着は大柄なフラワープリントのロングスカート。スウェットを合わせて楽しんでいました。当時はまだ理解していませんでしたが、私にとってのヴィンテージと古着の魅力は、着こなしを考える楽しみをくれること。今はもうないデザインやシルエットを「さあ、どう着る? 」と、考える楽しみがある。だからこそ手放せないし、飽きることがないのだと思います。
そんな学生時代を過ごしながら、卒業後は一旦、美容師の道に進みました。ですが、経験を重ねるうちに「やっぱり好きなファッションの仕事に就きたい」という気持ちが強くなり、ショップスタッフに転身。そこで、洋服を売ること、そして接客の楽しさを知り、やっぱり自分はこちらの道だったなと実感。そんな折、姉がよく着ていたことから知っていたShinzoneとの縁が生まれて入社。ルミネ新宿店のショップスタッフと店長を経て、現職の営業に就き、Shinzone歴は今年で11年になります。
つかず離れずのサイズにこだわって探したというヴィンテージのスウェットシャツに、THE SHINZONEの「NOTCHED LAPEL JUMP SUITS」、そして「CONVERSE」を合わせた大人のストリートスタイル。「シンプルだったり、キレイめなものこそ、ロゴの効いたスウェットや小物でアレンジするのが楽しいんですよね。なお、ヴィンテージショップや古着屋はいまだに日常の延長線上にあるので、スーパー感覚で足を運びます。よく行くのはやっぱり地元の高円寺、そして阿佐ヶ谷、吉祥寺の中央線エリアです」。
私にとっておしゃれとは、自分のテンションを上げてくれるもの。身につけるもので大きく気分が左右されるからこそ、自分の気分が良く楽しくなるものだけを着ていたいです。スタイリング的にはメンズライクなものにレースを合わせるようなギャップを感じさせるスタイルが好き。また、シンプルすぎると物足りなさを感じてしまうので、どこかにインパクトを感じさせるものを1つ取り入れるようにしています。
スタイリングは毎日変える派です。さあ今日は何を着ていこうかな……と毎朝クローゼットを漁るのも楽しいですし、展示会や出張のときは考えに考えまくって、一番テンションの上がる洋服を選んでいます。スタイリングを決めるのは基本的に前日の夜。「明日はデニムが履きたいな」みたいな感じで、まず頭の中で主役のアイテムを1点決め、じゃあ何を合わせようかな...とクローゼットを眺めながら食事をしたりしてコーディネートを組み立てていきます。合わせるバッグも前日に決めて、中身も全部入れ替えるし、なんなら靴まで履いてスタイリングをチェックする日もありますね。
おしゃれで一番こだわるのはバランス。ヘア、メガネ、メイクにはじまり、服の丈やボリューム感まで全体のバランスを見て、足したり引いたりを繰り返します。赤の服を着るなら、メイクはノーマルに。全身がモノトーンだったら、マスカラはカラーに。さらにはアイブロウが赤なら、マスカラはカーキに……といった具合に、着こなしの絶対的なルールがあって。そこに全てがぴたりとハマって、「よし、今日はこれが最高(笑)!」となったら初めて家を出ます。
私のスタイリングのヒントは “人”。オフィスのある表参道だと、そこかしこにファッション関係者の方が歩いているので、性別年齢問わずよく観察しています。意外な組み合わせを見ると「ああ、それにそれを合わせるんだ!」と、とても刺激を受けますね。特に自分より年上の方たちが素敵な着こなしをしていると、とても参考になります。
「シルエットやそのバランス感が好きなんだと思う」という自称、短パンマニア。この日はヴィンテージのアディダスのショーツに、THE SHINZONEの「CHUNKY PULLOVER KNIT」を「BLEUFORET」のタイツと「Little One Vintage」のミュールでアレンジ。耳元にピアス、手元にはたくさんのシルバーを重ねてアクセントに。「どこかがスポーティみたいな、外しが入っている着こなしが好きです」。
さらりと1枚で羽織ったヴィンテージのトラックジャケットにTHE SHINZONEの「BAKER PANTS TYPE-3」、足元は「Maison Malgiela」でフィニッシュ。 胸元にネックレスをさりげなく輝かせて。スポーティ×リュクスのスタイルに大人のユーモアをプラスしたスタイリング。
いくつになっても、自分の好きなものを着ておしゃれを楽しんでいたい。
THE SHINZONEの「COTTON WOOL SWEATSHIRT」に「とにかく目がない」というヴィンテージのコットンレースのスカートをレイヤード。目元の赤のマスカラや、手元に重ねたジュエリーなど、ディテールにまでこだわりを光らせて。「足元からチラリと覗かせたデニムの分量がポイントです」。
店長から営業担当になり、4年目です。ショップスタッフ時代に接することのなかった各地のショップのバイヤーの方やブランドの方とお会いする機会が増え、自分の知らなかった考え方やモノの見方を知ることができました。そういう意味で営業という仕事に自分を大きく成長させてもらったなあと思いますね。営業職の楽しさと魅力をどんどん知る一方で、もっと年齢を重ね、いつかまたショップスタッフに戻れる機会があれば、挑戦してみたいなとも。何より人が好き。という性格もありますが、販売職って幾つになってもできるし、年齢を重ねるからこそできる接客があることが魅力だなと思っています。表参道や青山のハイブランドのショップで大人のスタッフの方が洗練されたスタイリングで接客されている姿を見かけると、ああ素敵だなあって憧れます。
そして母が今なお好きなものを着て、嬉しそうにスタイリングをしている姿を見ると、やっぱりオシャレっていくつになっても楽しいものなんだなって。だからこそ私自身も自分の年齢に囚われることなく、一生おしゃれを楽しんでいきたいです。「大高さんて、50(歳)過ぎてるのに、いっつも短パンだよね〜」なんて若い子たちに言われながら、自分の好きなショートパンツやミニスカートを履いている大人になれたらいいですね。
ぬいぐるみは友人の影響で集めはじめました。最初は小さなフィギュアから集め始めたのに、今やどんどん大きく(笑)。Instagramにトイショップが結構あるので、そこで買うことが多いですね。自宅のベッドは彼らに占領されていますが、話しかけて可愛がっております! なお、ぬいぐるみに加え新しい趣味として、今缶バッジにハマりつつあり、ヴィンテージや古着屋で見つけると、気になってとにかく買っています。現在20個くらい集まりました。/全て本人私物
刺しゅうも好きです! エコバッグなどにステッチして友人にギフトしたりしています。今後ステッチしたいのは、デニム、スウェットとか、Tシャツ。飽きたなってアイテムにステッチして、もう一回着られるようにしたいんですよね。ある意味私なりのSDGs的なアクションです。多趣味と言われますし、もちろんその時々でブームはありますが、集めたものや作ったものは、どれも大切にしています。ぬいぐるみもきちんと洗ってケアしますし、バッジもカーテンにつけて保管しています!
右 アイライナー、マスカラ、アイブロウマスカラ。全部色モノが好きで、毎日目元に色を足している。「アイメイクからお客様と会話が広がったりするし、メイクについて話しかけられたりもする。もはや大切な仕事のツールです。気に入った色があると、とにかくストック。『ADDICITION』は発色が良く愛用しています」。 左 15年ほど前に初めて買ったShinzoneのトップスはいまだ大切に保管。「裾のペプラム仕様と背中に並んだボタンがどこかヴィンテージ的なデザインで。一目惚れして買ってしまった記憶がいまだ鮮やかに」。下 レース&フリル、そしてアディダスのトラックジャケットは共にヴィンテージ。ヴィンテージを着る際には、どこかに今、そして新しいアイテムを加えることをルールにしている。/全て本人私物
(※こちらのページでご紹介している私物のアイテムについては、ショップやブランドへのお問い合わせはご遠慮ください)
PHOTO:Nam. grafik
MAKE UP: YUKA NAKANISHI @ Know Who
TEXT&EDIT: SHINZONE