ファッションへの愛と矜持を持って、お客様そして洋服と日々向き合うShinzoneスタッフのおしゃれとこだわりを綴る本連載。今回はインテリア、料理、器に洋裁……。日々の暮らしへのこだわりが、毎日の着こなしのエッセンスへと落とし込まれた表参道本店スタッフの細田が登場。中学生と小学生の2児の母でもある彼女の素顔とスタイルに迫ります。
インテリア、食、そしてものづくり。日々のライフスタイルのこだわりが、スタイリングのエッセンスに。
ファッションに興味を持ったきっかけは、小学生の頃だと思います。当時は地方に住んでいたこともあり、洋服を購入する先がお店ではなく通信販売が多くて。注文する際に母が私にカタログを渡してくれながら「自分の好きな洋服を選んでいいよ」と、好きなものを選ばせてくれたことがとても嬉しかったんです。こっちもいいな、あっちもいいな。と洋服を選ぶうちに、“自分をスタイリングする楽しさ”みたいなことに、自然と興味が湧きました。
加えて、母方の祖父母がとてもおしゃれな人で。千鳥格子のジャケットを羽織ったり、首元にスカーフをいつも巻いているような姿を子供心にとても素敵だなと思っていました。幼い頃は二人から贈られたYves Saint Laurentの子供服で出かけたり、Converseを履いて通学するのが楽しかったです。
THE SHINZONEの「STRIPE DADDY SHIRT」には、ヘビロテしている「COMMON SWEATPANTS」と「SF CINÉMA CAP」を合わせて。「かっちりした服も好きだけどカジュアルなスタイルも好きです。シンプルなスタイリングという好みはあれど、いろんなテイストのいろんな格好をしたい。だからその日の朝の気分で、今日はかっこいい感じ、可愛い感じとスタイリングを決めています」。足元は、すでに何足あるかわからないという「CONVERSE」。「どれも大切に履いていて、最近は中学生の娘とシェアしたりしています」
一気にファッションにのめり込んだのは、高校時代でしょうか。兄が二人いるのですが、当時高校生、大学生だった彼らがよく「Patagonia」を着ていたんです。それを見て、あ、かっこいいなと影響を受けて。それを借りて私も制服の上にフリースを着て通学したりしていました。
大学生になると、アメリカのデニムブランドのアウトレットでアルバイトをするようになりました。そこで昔のモデルから、最新のデニムまでたくさんのジーンズを見るように。元々ジーンズを履くのは好きでしたが、そこからますますデニムの世界に夢中になりました。加えて、洋服の量販店とケーキ屋でのバイトも掛け持ちで始めて。大学生活はデニムと洋服と甘いものにまみれて終わりました。
インポーター時代に目覚めた、洋服づくりの魅力と楽しさ
ファッションが好きだったことに加え、大学では英文科だったこともあり、卒業後には繊維関係の商社に勤務し、インポーターとして海外の展示会を回ったり、国内外で多くの生地に触れていました。生産側に携わったことで、今度は着ること、販売することに加えて、洋服を作ることにも興味を持ちました。
THE SHINZONEの「SHEER GAUZE LONG SLEEVE TEE」に合わせたのは、ヴィンテージの「Levis」517。174㎝の長身を生かしたシンプルシックな着こなし。「517は履くたびに、脚が長い!と周りから褒めてもらえるシルエットなので(笑)、気に入っています」。「祖母から譲られて大切にしている」というアンティークの「ROLEX」と、胸元のネックレスをポイントに。リングは「Monica Castiglioni」。「今愛用しているデニムは7、8本。中でもヘビーローテーションしているのは3本くらいです。シルエットにこだわりはないので、ストレートからブーツカットまで履きますが、Shinzoneのデニム以外だと『Levis』のヴィンテージや古着が好きですね」。シューズは「repetto」。
その後、出産と夫の転勤のタイミングで5年ほど仕事を離れましたが、前職で洋服づくりに興味を持ったこと、そして洋服の構造を知ったことも手伝って、その間は子供服をつくることに夢中に。なかでも「Bonpoint」や「PETIT BATEAU」といったフランスの子供服に自作の洋服をコーディネートすることがすごく楽しかったです。
初めてスモッキングに挑戦したという子供用のワンピース。下の着せ替え人形用の洋服も全て手づくり。
またちょうどその頃、たまたま見つけたある人のブログで、Shinzoneが毎回すごく素敵に紹介されていて。元々好きなショップだったのですが、そのブログをきっかけにさらにファンになりました。私はベーシックなアイテムをシンプルに着るのが好きなんですが、Shinzoneの洋服って仕立てがよく、デニムにTシャツのシンプルなコーディネートでもパッと決まる。そういう意味でも自分のスタイルに合っていました。
加えてアイビールックが好きだったということも、夢中になった理由の一つですね。「昭和レトロ」ではないですが、私にとってアイビーは、“ちょっと古くて、どこか野暮ったくて可愛い”のが魅力。そんなブランドの持つスタイルにも惹かれ、縁があって入社してから今年で6年目となります。
シャツ、チノパンは共に古着。時計はSEIKO×Shinzone EDITION 1( 現在は完売 )。「雑誌で見たジェーン・バーキンの白シャツにチノパンのスタイリングがすごく素敵で。そのスタイルに刺激を受けました」というコーディネート。シャツ、そしてパンツの組み合わせを、今夏より展開する「Jaran Sriwijaya」のサンダルでちょっと外したノンシャランな着こなし。
ファッションと並行して、出産後は日々のくらしにも興味を持つようになりました。元々好きだった洋裁に加え、建築やインテリア、料理、そしてそれにまつわる器や盛り付けなど。色んな人の素敵な暮らしをSNSで見つけては参考にしています。休日は骨董屋さんで和食器を探したり、それに関する書物を探したりするのが楽しいですね。最近読んだのは思想家である岡倉覚三の『茶の本』。そういった日々のインプットがスタイリングにも影響しているなと思います。
少しずつ買い集めた、九谷焼などの小皿や小鉢。「基本的に全部普段使いしています。日本の骨董品も好きだし、フランスのヴィンテージやアンティークの食器やアイテムも好きでよく探しています」。料理にも定評があり、中でもランチに持参する弁当は「美しくおいしそう!」と、蓋をあけるたび社内で話題に。
アクセサリーは好きだけれど、たくさんつけるのではなく、好きなものをシンプルかつミニマムに。が、細田流。「右側の時計は祖母から20年くらい前に譲られた『ROLEX』。デザインされた独特なフェイスが魅力で大切にしています。左はSEIKO×Shinzone EDITION1 。大きめのフェイスが気に入っています」。繊細な刺繍が美しいハンカチはスワトウ(汕頭)。「白いハンカチが好きで、アンティークショップなどで見つけては買っています。これはスワトウ刺しゅうのハンカチ専門店で手に入れたもの。こういった手仕事的なアイテムにすごく惹かれます」
これまではバックオフィスの仕事をしていましたが、2024年の秋から表参道本店ショップスタッフとなりました。VMDなどにも携わるようになり、洋服の見せ方も考えるように。作る側と販売する側では、また洋服の知らなかった面が見えるんだなと日々学ぶことが多いです。
これからの目標は、おばあちゃんになってもずっとデニムをカッコよく履き続けること。素敵に年齢を重ねていけるよう、仕事も人としても前進していきたいなと思います。
ネイルはセルフ派。こちらは愛用しているネイルポリッシュあれこれ。ピンクベージュやベージュが好きでシアーな色味にこだわっている。「たまに気分で赤など塗るときもあるんですが。でもやっぱりナチュラルな指先が好きです」
※このほか、細田のこだわりが光るファッションとくらしはInstagramでもご覧ください。
PHOTO:Nam. grafik
MAKE UP: YUKA NAKANISHI @ Know Who
TEXT&EDIT: SHINZONE
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